Straight to Hell

編集:Boyd McDonald (1971-1973); Victor Weaver (1980s-1987); Billy Miller (1991-)
オフセット印刷、20.3x14cm
現在までに64号まで刊行、エディション可変
ニューヨーク、Straight to Hell, 1971-

三代に渡る編集者、三世代のふしだらな読者層、とめどないキメ台詞…Straight to Hell(当初は「The Manhattan Review of Unnatural Acts」と副題がついていた)は、読者たちが、自身の最も淫らな体験談を投稿する掲示板のような役割を果たした。初期の号はタイプライターで打たれ、表紙いっぱいにテキストが並び、ニュース欄、スポーツ欄(8号では世界最大のジョックストラップを紹介)、そして中綴じページを有していた。世捨て人の編集者Boyd McDonaldが現在のStraight to Hellを象徴するアイコニックな表紙イメージ、写真群、そして股間をぎゅっと握られるような見出しを生み出し、後続の編集者やデザイナーたちに大きな影響を与えるまでには、まだあと数号待たなければならなかった。

しかし、その初期から、「セックスの犬」と自ら称するマクドナルドはその耳で(そしてその舌で)ダーティーな話題を探し続けていた。7号目に掲載された「図書館こそ、基地内でとっておきの場所のひとつ」だけで、退役軍人省を震え上がらせるには十分だ。同じ号の「俺と甥」は「少年たちへの愛こそ、私を生かす原動力」という言葉から始まる。マクドナルドは、権威的な立場の人間が見せる乱れに興味を持っていたようで、例えば同誌では、カフェテリアの調理人が校内警備員のブーツに「奉仕」し(7号)、カウボーイのドンはバスの車中で3人の海兵隊と4Pを楽しんだり(16号)している。

投稿の多くは、ノンケだと称する人々によって送らてきたものだ。テキストは未知の快楽に彩られ、その真偽を疑うものも、もちろん多い。その内容の実現不可能性について、同誌は「Straight to Hellが独占禁止法違反で訴えられる?」*という見出しで、同誌が真実を独占していることについて言及する。

「Straight to Hellは、実際に行動し、現場で起きている真実を扱うただ一つの存在だ。」

ボイドによれば、その他の雑誌はセックスについての神話やファンタジーを書き掲載する、男性チアリーダーたちによって出版されているのだという。Straight to Hellの編集者たちは、彼らの雑誌だけが、「ストレート」、ホモセクシュアル、そしてバイセクシュアルについての真実を掲載しているのだと主張する。「独占しているさ」と編集者は認める。

「でも、それは通商におけるものではない。それなら完全に違法だよ。そうじゃなくて、他の雑誌がセックスについての真実を掲載しようとしなから、俺たちはただ、彼らが掲載してくれることを願ってやまないね。

俺たちは他の雑誌よりも倫理的だから、真実を掲載する。でもそれは、自己中な理由からなんだけどね。真実は、ホモセクシュアルの自己中な欲望を満足させてくれる。真実はホモセクシュアルに味方し、「ストレート」を貶める。神話とファンタジーは「ストレート」に味方する。他の雑誌がファンタジーを掲載し、俺たちだけが真実を掲載するのは、そんな理由だろうね。

でも、俺たちがどんな国に住んでいるかっていうことも認識しているさ。ここは、真実を伝えることがーそれが君を自由にするのではなくー牢獄送りを意味する国だよ。」

*原文:”Straight to Hell May Face Anti-Trust Suit”
Antitrust law=アンチトラスト法、独占禁止法。反=真実とかけている?