感光

(Work in progress)
*現在撮影にご協力頂ける方を募集してます。


Sight Seeing #11
(Scroll down for more images)

しばらく前から、東京に住む男性たちを夜に訪ね、明かりを消した部屋の中で彼らを撮りはじめた。長時間露光を必要とする撮影を通して、引き延ばされたいびつな時間のなかゆっくりと彼らと向きあう。デジタル写真という極めて刹那的なメディアを使って、あえて居心地の悪い緩やかな流れの中に身を置くことはとても新鮮だった。

明かりを全て消して暗くした部屋の中で、動かず、言葉もなく、相手のことすらぼんやりとしか見えない空間で、一分間、時にそれ以上、カメラが被写体を記録し終えるまで、向きあう。暗闇は写真を撮ることに対する「逃げ」なのかもしれないけれど、暗闇の中でこそ、見えてないからこそ、明るい部屋や太陽のもとでは見えなかった風景、光、そして表情をとらえる事も出来るかもしれない。一枚撮り終えると、少し言葉を交わす。そしてまた無言で向き合う。

撮影中の、一分間の完璧な静けさ。ある暑い夜の場合その沈黙は堪え難くて、汗が止まらなかった。2、3枚写真を撮って、僕は静けさから逃げるようにして彼の家を後にした。別の撮影では、隣の部屋で彼の家族が楽しそうにTVを見ているのが聞こえた。僕は庭に咲くあじさいばかりを見ていた。

また、ある時。静かな部屋の外で、雨が降り始めたのを聞いた。言葉を発せずに佇む彼の指の間で燃えるたばこ。暗闇のなかで、うまく表情を読みとることもできず、僕には彼がその時何を考えていたかわからない。彼は確かにそこにいて、カメラのほうを見ていた。居心地の悪さは、不思議と感じなかった。

撮影の様子を記録した映像は、『感光の数分間』で見ることができます。

ミヤギフトシ


________________________Sight Seeing #13__Sight Seeing #14__Sight Seeing #15__Sight Seeing #16__Sight Seeing #17__Sight Seeing #18__IMG_2506__DSC01394__DSC01831__DSC02414 OLYMPUS DIGITAL CAMERA